思い通りにいかないことが続くと、人間誰しも、
「こんな自分を変えたい!」
と強く思うようになると思うのですが、意気込みばかりが空回りして結局なにをどうすればよいのか分からない、分かっていても勇気が持てず、肝心の一歩を踏み出すことができないというのが現状です。
こんなことを何度も何度も繰り返しながら、いたずらに年ばかり重ねていってしまうのが我々人間です。
ここから導き出せる結論。
自分を変えようと思って変えることができるのは、ほんの一握りの努力家であって、大多数の人間は口先だけで終わり、現状に甘んじる。
しかし、これは現状を維持しようとする人間の本能(現状維持バイアス)も関係していますから、努力できない自分、挫折してしまう自分をいたずらに責める必要はありません。
【脳はなぜ変化を嫌う?】
人間には体内環境を一定に維持しようとする機能が備わっている(ホメオスタシス)。たとえば、熱が出たら汗をかいて体温を下げる、血糖値が上がったらインスリンを分泌して血糖値を抑えるなど。変わることで起こるかもしれないリスクを避け、現状を維持しようとする生存本能なので、程度の差はあれ、誰もが持っている特性。
大切なのは、努力や頑張りという「個人で片付けられる問題以前の話」だということをしっかり理解しておくことです。
「変わりたい」と思うことができる自分をほめる
世の中には現状に甘んじて、変わろうとする気持ちすら持たずにいる人がたくさんいます。
「オレがルールだ」とでも言い出さんばかりに、周りに迷惑をかけまくっているゴーイングマイウェイもいますね。
そんな中にあって、「このままじゃだめだ」「自分変わらなきゃ」という気付きを持てるということは、十分に誇れることです。
まずは現状に満足せず、より良いほうへ変わろうとしている自分を精一杯ほめてみてはどうでしょう。
変わりたいのならカタチから
あなたは自分のなにを変えたいと思っていますか?
- 人見知りを克服して誰とでも楽しく会話できるようになりたい
- ダイエットをして自分に自信を付けたい
- 転職をしてワンランクアップしたい
- ネガティブ思考をやめて人生を豊かにしたい
etc.…
これらの悩みの克服方法は「行動する」以外にありあせん。
人見知りを直したいのなら、積極的に人の輪に入っていく。やせたいのなら生活習慣の見直しをする。転職したいのなら職探しをする。ネガティブ思考をやめたいのならポジティブなことを考える。
しかし、こうして文字に起こすように簡単に行動に移すことができたら、誰も苦労しません。
先ほども書いた通り、人間には現状維持をしようとする本能が働きますからね。
では、どうやって「行動」へと気持ちを導いていけばよいのか?
心理学にモデリング理論というものがあります。
モデリングとは模倣のことで、誰かの行動をまねることによってその人物になりきり、物事の上達が早くなるというもの。
人見知りを直したいのであれば、人見知りじゃない人、たとえばあなたがこういう人になりたいという人をイメージし、その人ならどんな行動をとるか、身近な相手であれば、普段どのように他人と接しているかを観察してみるのです。
そうすると、人見知りじゃない人の特徴が見えてくるはずです。
- 人見知りは他人の視界から逃れようとするが、そうじゃない人は自分から他人の視界に入ってくる
- 人見知りは自分から声をかけないが、そうじゃない人は自分から声をかける
- 人見知りは話がまとまらずくどくどとしゃべりがちだが、そうじゃない人は短い言葉を使っている
- 人見知りは笑顔が少ないが、そうじゃない人はよく笑う
- 人見知りは受け身だが、そうじゃない人は積極的に他人とかかわる
観察して見えてきた特徴の中から、すぐに実行に移せそうなものはないかと探してみると、他人の視界に入るくらいのことはなんとかできそうですよね。
こうやって少しずつできることを増やしていけばよいだけです。
「自分はこうあるべき」という理想像を追いかけるよりも、「人見知りじゃない人の特徴をまねる」ことのほうがより簡単に変化へとつながっていきます。
とはいえ、なにごともスムーズに進むとは限りませんから、無理が出てきたなと思ったら少し立ち止まってみるということも大切です。
ついでに、ダイエットをしてやせた自分に変わりたい人がカタチから入ると…
- 太っている人は車移動をするが、やせている人は徒歩が多い
- 太っている人は毎日コンビニ弁当だが、やせている人は野菜中心の食生活をしている
- 太っている人は一日に何度も間食をするが、やせている人は時間を決めて一日に一回だけ間食をしている
- 太っている人は夜更かしをするが、やせている人は毎日決まった時間に寝ている
- 太っている人はストレス発散にものを食べるが、やせている人はスポーツで発散する
強固な現状維持バイアスに立ち向かうには、なりきりの力が一番です。
自分の理想に近いモデルを見つけてとことん模倣してみましょう。